【映画】劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ109(ネタバレ感想)

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作品の概要と感想(ネタバレあり)

『劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ109』のポスター
(C)2024 NSW/コピーライツファクトリー All Rights Reserved.

とあるドキュメンタリー企画が「ほん呪」制作会社に持ち込まれた。
それは、元・「ほん呪」ディレクター菊池を通しての持ち込みであった。
企画者は、自らを一ノ瀬と名乗る女性ディレクターで、内容は彼女の知人・永戸佳史さん(仮名)にまつわる奇妙な調査記録であった──。

2024年製作、日本の作品。

『劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ100』(以下「100」)に続き、2作目の劇場版。
「100」で初めての劇場版が公開された後、1年という短いスパンで立て続けに劇場版が公開されたわけですが、「100」が「ほん呪」シリーズ100作目の記念だったのに対して、本作『劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ109』(以下「109」)は25周年記念だったようです。

繋がりはありませんが、「100」の感想は以下をご参照ください。

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「100」の感想でも書きましたが、初めてちゃんと観た「ほん呪」シリーズは「100」が初めてだったので、つまりは過去のビデオシリーズはほぼ観ていません
そのため、「109」は過去にシリーズのディレクターを務めていた菊池宣秀監督が復活!というのがファンには熱かったようですが、そのあたりの思い入れ補正は味わえず。
以下、熱烈なシリーズファンの感想というわけではないので、ご留意ください。

本作は、レビューサイトではなかなかに酷評が目立ち低評価ですが、個人的には楽しめましたし好きです
ただ、面白かったかというと確かに微妙であり、楽しめたというのが正しいです。
人と一緒に観たので、鑑賞しながらツッコミを入れられた故の楽しさがあり、1人で見ていたら何とも言えない気持ちになっていたかも。

正しく(?)楽しめた要因としては、とにかく雰囲気が良かったです。
謎すぎる蓮枝家の不気味さ、お面を被った口寄せのインパクト、終盤の夜中にお宅訪問の緊張感など、モキュメンタリーのぎりぎりを攻めたような(そして少しはみ出してしまったような)これでもかと畳みかける恐怖演出が好みでした
ラバーマスクを被った男性のような、もはや何の回収もされず意味も訳もわからないままな不気味さも好き。

それらの舞台や設定は良かったのですが、ストーリーがもう少しどうにかならなかったのかな……と思ってしまいました。
いや、モキュメンタリーなのでストーリーに突っ込むのは野暮なんですけどね。
現実に起こった出来事に対して「そんなことあるわけない」と言うようなもので、現実に起こったことは現実に起こったこととして受け止めるしかありません。
モキュメンタリーもモキュメンタリーとして作られている以上は、どんなに現実離れしていても「こういうことがあったんだ」と楽しむべきものだと思っています。

ただ、本作はインタビューに出てくる人数もそれなりにいる上、蓮枝家の人間関係やらがとにかく複雑
証言ではピー音の連発なので、それはそれで演出としては良いのですが、だんだん誰が誰で何がどうなっているのか追いつくのに必死になってしまいました。
理解のために脳のキャパを割かれると、純粋に恐怖を楽しめなくなってしまいます。

最後まで観ても謎はほとんど謎のままで、そこは同じようでひとまずのオチがついていた「100」と比べると、やや粗さが目立ってしまいました。
警察の調査はどうなったのか、あの女の子はどうなったのか、疑似家族だった男性陣もどうなったのかといったような後日談も、かなり気になってしまいます。

しかし、それらについては完全に省かれているところからは、基本的に雰囲気を楽しむべき作品ではあるのでしょう
その意味では、個人的には点数をつけるなら低めになってしまいつつも、色々と尖っており印象に残る部分も多く、けっこう好きな作品でもあります。

自分の中での大きなマイナスポイントは、音声の聴き取りづらさと、一ノ瀬マキの存在でした。

音声の聴き取りづらさに関しては、おそらく観た人全員が感じたのではないでしょうか
ぼそぼそ喋る音声に合わせて音量を上げると、叫び声や大きな音がとんでもないことになってしまいます。
字幕をつけたら臨場感が低下してしまうのはわかりますが、ファウンドフッテージなわけではなく取材した映像の公開という体なので、せめて打ち合わせのシーンなどは字幕をつけてほしかったです。

しかしこの点は、劇場版であるということにも留意が必要でしょう
あくまでも映画館で観てもらうことが前提であり、映画館の音響であればおそらく違ったはず。
それを家でも観られるように配信なりDVD販売なりしてくれるのはありがたいことなので、あまり文句を言うのは筋違いかとも自戒。

一ノ瀬マキに関しては、これこそ私情でしかありませんがまぁとにかく、こういう態度が悪い人がとても苦手なので
何でそんな態度悪いん?偉そうなん?攻撃的なん?というのが、終始ノイズとなってしまいました。

それでも、彼女が「さすがにそれはないだろう」レベルで強引に物事を進めていったために物語が進んだところもあるので、ストーリーを動かす駒として重要だったのはわかります。
だんだんと癖になってしまったのも事実で、後半では一ノ瀬のキャラににやけてしまったところもありました。
良くも悪くも彼女のキャラが、爪痕を残しています。

特に、ラバーマスクの男性との邂逅シーン。
死んだと思っていた夫との感動の再会……からの「誰だよ」は、本作随一のお気に入りシーンでもあります。
いやほんとに誰だよ、と。
あの感動の再会っぽい間は何だったんだよ、と。

そんなこんなで雰囲気で楽しめた作品ですが、ストーリーは上述した通り謎が多く残されたまま。
あまり考察する感じでもありませんが、ややこしいので少しだけ整理しておきましょう。
一回で理解するにはややこしい、けれど確認のために観返す気にもなれないので、本当にざっくりとです。

まず、発端となったのは蓮枝日美代なる人物でした。
彼女は東北出身?で関東に移住し、イタコとして口寄せを行っていたようです。

彼女には蝶子という娘(本作の名前は全部仮名ですが)がおり、彼女が後継者となりました。
ただ、日美代が建てたオシラ堂(祠)から見つかった8mmフィルムの映像からは、日美代が蝶子に乗り移った?可能性も推察できるかもしれませんが、日美代はそこまではしていないのではないかと考えています。
祠を漁って持ち帰るのもどうかと思いましたし、そこで見つかったものは結局大して取り上げられなかったところはさておいて。

蝶子は夫と2人の子どもがいたようですが、いずれも亡くしてしまったとのこと。
そのあたりからおかしくなったのか、その後病気にもなり死期を悟った蝶子は、疑似家族を作り始めました。
一ノ瀬マキを名乗っていた女性の夫、佳史もそこに参加していたとか。
新聞記事やお面の口寄せをしていたことからは、娘のナナは実際に事故で死亡してしまったものと考えられます。
佳史も結局は自殺してしまったようです。

疑似家族に参加していた石神三和子なる女性が、病床に伏せ亡くなった蝶子の身代わりを務めます。
というより、蝶子が自分を口寄せして三和子の身体を乗っ取っていた?ようでした。
便利ですね。

そして本作のラストでは、一ノ瀬マキにこの霊?魂?が乗り移ったことが示唆されて幕を閉じます。
一ノ瀬の雰囲気が変わったのも、そのためということでしょう。

疑似家族の男性陣は、完全に謎。
ミイラは口寄せのために動物の死骸を使って作られた人形。
カンナなる女の子は石神三和子の娘。

カンナは、きっと本当に助けを求めていたのでしょう。
家に導いたのも罠などではなく、実際にラバーマスクの男性が一ノ瀬が探す人物だと勘違いしていただけと考えています。
何でそう思ったのか、等細かいところはよくわかりませんが、深追いするものでもないでしょう。

振り返ってみると、とにかく疑似家族な蓮枝家が複雑でやばすぎた、に尽きました。
ただ、蓮枝家の複雑さは、劇場版用に尺を伸ばすため、という印象も拭えません。
好評だった「100」の波に乗り、「ほん呪」シリーズ25周年記念に合わせて急いで作ったのでは……などと邪推してしまいますが、老舗で人気なシリーズなので、これからも末永く続いてほしいと思います。

『劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ109』のポスター

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