【映画】トゥルース・オア・デア 殺人ゲーム(ネタバレ感想・考察)

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作品の概要と感想(ネタバレあり)

メキシコ旅行で何気なく遊んだ「Truth or Dare」ゲーム。
しかしそれは、旅行から帰ってきても続き、嘘をついたり挑戦が失敗した者は死んでしまう呪いのゲームだった──。

2018年製作、アメリカの作品。

死のゲームが順番に回ってくるという、『ファイナル・デスティネーション』を彷彿とさせる作品です。
同系統の『カウントダウン』の感想で「死の宣告系」と勝手に名付けましたが、本作も「死の宣告系」作品に含められるのではないかと思います。

「死の宣告系」作品という点と、安全安心のブラムハウス製ということで、観ている間は何だかんだ楽しめます
ただ、「死の宣告系」作品の宿命か、やはりラストが難しいのと、観終わったあとには急速に記憶が薄れていく感じでした。

登場人物も、いまいち魅力に欠けていた印象です。
カーターことサムに安易についていった主人公オリヴィアは愚かでしたが、全体的に「馬鹿な若者たち」といったほどではありません。
しかし、話が進むほどに関係性がこじれ、「このキャラには生き残ってほしい……!」みたいな気持ちが薄れていってしまったのが残念ポイント。

特に、「親友」と言っている2人が(とういかマーキーが)すぐにガッタガタになるところは、何とも言えません。
まぁ、本当の親友というより「私たち、ズッ友だよね♡」のパターンなのかもしれませんが……。

自殺したマーキーパパの件についても微妙なところです。
個人的には、完全にマーキーパパの方に非があるように感じました。

「Truth or dare」というのは、実際に海外では一般的なゲームのようです(どれほど一般的なのかは不明)。
遊び方は本作の通りで、

  1. 誰かが他の人に「truth or dare(真実か挑戦か)?」と尋ねる
  2. 尋ねられた人は、真実か挑戦かどちらかを選び答える
    • 「真実」と答えたら、質問されたことに正直に答えなければならない
    • 「挑戦」と答えたら、指示されたことを実行しないといけない

といったもの。

その遊びを「死の宣告系」に結びつけた点が本作を特徴づけていますが、結局は悪魔の仕業だったわけで、悪魔の目的がいまいちわからなかったのが残念なところ。
仲違いさせた上で全滅させるのが目的だったのですかね。
ただ、そもそも悪魔はゲームに取り憑いただけなので、「Truth or dare」ゲームに必然性があったわけではありません

悪魔に乗っ取られた際の顔の変化は、ギャグと紙一重のラインを攻めていた印象です。
ギャグに捉える人もいるかもしれませんが、個人的にはホラーの範疇に留まった良い演出でした。
「場にそぐわない笑顔」の不気味さは、『死霊のはらわた』の考察などで何度か触れているので、ここでは省略します。

終盤、呪いを解く方法を発見してからは急展開。
カーターことサム、実は良い奴じゃないですか?
あのスピード感で舌を切ろうと決断できるのは、並大抵の精神力ではありません。

ラストに関しては、本作のパターンか、「呪いが解けたように見えて実は終わっていませんでした〜」パターンのいずれしかしかなかったかな、と思います。
「Truth or dare」ゲームを「死の宣告系」に組み込むというネタ勝負だったので、上述した通りラストの収集のつけづらさは仕方ないところ。

ただ、オリヴィアが人気配信者な設定であったのは無駄ではなく、冒頭の配信シーンが伏線になっていたところは良かったです。
最後の世界を巻き込む配信は、もう少し「観客も呪われちゃったと思わせるパターン」にしても面白かったかなと思いました。

伏線といえば、旅行中の「Truth or dare」ゲームで、主人公のオリヴィアが「エイリアンが来たとして、メキシコの全人口と、ここにいる全員のどちらを犠牲にするか?」という質問に対して「ここにいる全員を犠牲にしてメキシコの全人口を助ける」と答えたのに、最後には自分と親友のために世界を死のゲームに巻き込んだというパターンは、強烈に皮肉が効いている感じで大好きでした。

この点、オリヴィアの本性について、後半の考察でさらに深掘りしてみたいと思います。

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考察:ラストシーンの意味と、オリヴィアの本性(ネタバレあり)

結局、何が起こっていたのか

まずは、簡単に整理します。

遡ること50年ほど前、とある若い女性のための修道院で女性たちがかくれんぼをして遊んでいたところ、変態神父が「見つかった子を連れ去るかくれんぼ」を強要。
神父が少女をいけにえにしようとした夜、悪魔ケイラックスが少女に憑依し、神父の身体をバラバラにして教会に隠しました。

ケイラックスは遊び(かくれんぼ?)に取り憑き、何人もが死亡。
ケイラックスを呼び出してしまったのは、少女時時代のおばあちゃんのようでした。
彼女が、呪文を7回唱えて、捧げ物として舌を壺に入れるという儀式を実行。
晴れて悪魔は封印されました。

しかし、カーターことサムたち一行が、旅行で廃墟となっていた教会を見つけ、酔って暴れたサムが壺を壊し、ケイラックスが再び解き放たれ、そのとき行われていた「Truth or dare」ゲームに取り憑いた。

ということでした。

オリヴィアが見つけた壺からの悪臭というのは、おばあちゃんの腐敗した舌だったのでしょう。

侵入してきた男性、誰?

ラストシーンの話に入る前に一つ、大きな謎がありました。

オリヴィアとマーキーたちのシェアハウス?に侵入してきたらしい男性。
オリヴィアが充電器を取りに2階に上がった際、首を絞めて「Truth or dare?」と仕掛けてきた中年男性です。

これ、誰なのでしょう
何か見落としているのかもしれませんが、誰なのかわかっていません。
もしご存知の方、いらっしゃいましたらぜひ教えてください。

可能性として考えた一つとしては、ジゼル(映画冒頭、お店で女性客を燃やした女性)の友人の1人で、死の「Truth or dare」ゲームに巻き込まれていたという可能性です。
しかしこれは、警察署で刑事から見せられた「ジゼルの友人」の写真の中には含まれていなかったことや、刑事から「生き残りは4人だけ(オリヴィア、マーキー、ブラッド、サム)」と言われたあとに登場したことから否定されます。

となると、ただの関係のない人ということになります。
不審者というか、性犯罪者か窃盗・強盗犯とかでしょうか。

ただ、悪魔モードから我に返った際、「ここは……?」と呟く様子からは、家に侵入した記憶はないようでした。
それも考えると、家の近くを通りがかったから悪魔に利用されたみたいな感じでしょうか。

いずれにしても、我に返ってから、釈明するでもなく速攻全力ダッシュで逃げ出した様子からは、何かしら後ろめたさがあったように感じられます。

オリヴィアは最後何がしたかったのか?:オリヴィアの本性

ラストシーンで、オリヴィアは「い考えがある、私を信じて!」と自信満々に悪魔ケイラックスの裏をかこうとしますが、「えへ!駄目だった!」とあっさりと失敗します。
彼女は一体何がしたかったのでしょうか

ここ、けっこう大事なシーンだと思うのですが、だいぶわかりづらいです。
実際の流れとしては、

  1. マーキーに「挑戦」を選ばせ、実行させない
  2. 無理やり違う形で実行させ、2人とも助かる(「オリヴィアを撃て」という指示を、自分の腕を撃たせた程度で実行したことにさせた)
  3. マーキーに悪魔ケイラックスが乗り移っている間に、隙をついてゲームに参加させる
  4. 「真実」と答えたケイラックスに、ゲームの抜け方を尋ねる

でした。

問題は2と4です。

先に4については、ケイラックスがもし「挑戦」を選んでいたら、「消えろ」「ゲームを終わらせろ」「封印されろ」などの指示が可能だったかもしれません。

ただし、2については、挑戦の内容は無限に考えられ得るはずです。
「オリヴィアを撃て」という指示を予想できたとは思えません。
むしろ、普通に考えれば「オリヴィアを殺せ」の方が可能性が高いです。

この場合、「無理やり違う形で実行させ、2人とも助かる」というのは不可能です。
「オリヴィアを殺せ」の指示だった場合、どちらかが死ぬしかありません。

この点から予想されるのは、オリヴィアは「マーキーを犠牲にしても良い」という考えがあったのではないか、ということです。

「オリヴィアを殺せ」という指示を実行しなければ、マーキーは死にます。
それならそれで、その次は自分のターンになるので、ケイラックスより先に「Truth or dare?」を尋ね、上述した4を実行するつもりだったのではないでしょうか。

つまり、あの場面でオリヴィアを信じたマーキーが助かったのはただのラッキーであり、オリヴィアはマーキーが死んでも構わないと思っていたということです。

また、「ここでなら参加者を増やせる」と言っていたのは、マーキーに「私を信じて、挑戦を選んで実行しないで」と言うより前です。
ということは、その時点ですでに、最悪、配信をして全界を巻き込む考えを持っていたことがわかります。

ただし、「全世界を巻き込む」というのはただ順番をかなり後回しにできるだけで、根本的な解決にはなりません。

そのため、その選択肢を思いついた上でマーキーに「挑戦を選んで実行をしない」を持ちかけたのは、ケイラックスにゲームを仕掛け、ゲームを終わらせられる可能性があったからです。

整理すれば、

  • 最悪、配信して世界中をゲームに巻き込もう
  • その前に、マーキーを囮にして、ゲームを終わらせられる可能性に賭けてみよう

という考えがあったということです。

しかし、これが失敗したために仕方なく、根本的解決ではないですが世界を巻き込むという最終手段を実行に移したのでした。

つまり、冒頭のゲームで「ここにいるみんなを犠牲にしても何百万人というメキシコの全人口を助ける」と言っていたのも、最後の最後に「二度と隠し事はしない。私たちが助かる道は信じ合うことだけよ」とマーキーを説得した言葉も、すべて嘘だったということになります。

結論としては、オリヴィアは実は終始嘘をついており、完全に自己中心的なキャラだったのでした。

コメント

  1. あれた より:

    侵入してきた男性は、序盤でオリヴィアがお金をあげた浮浪者ですね。それ以上のことはわからないのですが、窓が開いた描写があったことから、盗みに入ったのではないでしょうか。彼女の部屋を見上げているシーンもありましたし。で、窃盗に入ったところに悪魔が取り憑いたのか。
    それとも最初にオリヴィアのポストに入っていた、チラシの裏の真実か挑戦かの文字を読んでしまってゲームに巻き込まれたか。こっちはどこにもそんなシーンはないので、単に想像です。
    たまたま泥棒か暴行目的で居合わせたというのが正しそうです。

    • アバター画像 異端者のフォーク より:

      あれたさん
      コメントおよび情報ありがとうございます。
      なるほど、お金をあげた浮浪者……そういえばありましたね、そんなシーン。完全に忘れていました。
      結局なぜ家の中にいたのか、あの状態になっていたのかは不透明ですが、完全に謎の人物ではなくなったので少しすっきりしました。ありがとうございます。

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