
作品の概要と感想(ネタバレあり)
不老の秘薬を求め、利権に群がる人間たちが密林に足を踏み入れた。
それが阿鼻叫喚の蛇地獄の始まりとも知らずに……。
触れてはならない聖域を犯してしまった彼らに待ち受けていたのは、おびただしい数の邪悪な生き物。
欲が渦巻きお互いが疑心暗鬼になる中、容赦なく人間を飲み込んでいくアナコンダ。
果たして生き残れるのは誰なのか──?
2004年製作、アメリカの作品。
原題は『Anacondas: The Hunt for the Blood Orchid』。
「Blood Orchid」が作中に出てきた不死の蘭の名前なので、「不死の蘭を捜し求めて」みたいなサブタイトルでしょう。
前作『アナコンダ』から約7年振りの続編。
けっこう間が空いている気がしますが、徐々に人気が出てきて続編を作ることになった、とかでしょうか。
1作目は何だかんだ3~4回は観ているはずなのですが、2はおそらく2回目の再鑑賞でした。
一応、前作『アナコンダ』の感想は以下をご参照ください。

ちなみに、2作目である本作の原題が『Anaconda 2』ではないことには、今回初めて気がつきました。
邦題を『アナコンダ2』にして副題を削ったのは、シンプルで良いですね。
今だったら変なサブタイトルがつきそうな気がします。
しかし、Wiki情報によれば、2008年頃に地上波で放送された際には『アナコンダ2 ボルネオ島の迷宮』というタイトルだったようです。
アナコンダやオマキザル(コング)はボルネオには棲息していないようで、適当すぎるというか、むしろ何でそうなったのか謎すぎます。
地上波で放送していたというのもすごいですが。
そんな『アナコンダ2』、1作目に比べると観た回数が少ないので細部は忘れてしまっていましたが、やはりインパクトあるシーンや登場人物は記憶に残っていました。
ジャックの顔がすごく見たことがある気がして、他作品で見たのかと思って調べましたがそんなことはなく、『アナコンダ2』だけの記憶で脳に強く刻み込まれていたようです。
それもそのはず。
観ている途中で思い出しました、ジャックがとんでもなくヤバい奴であったことを。
1作目と比べると、キャラとストーリーがだいぶしっかりしていた印象です。
「不死の蘭」というキーアイテムによって、ジャングルに赴く目的と、アナコンダが巨大化している理由が同時に説明されているのも、無駄がなく好印象。
キャラはみんな典型的ではありますが、こういったパニックモノではわかりやすさによる脳のコスト削減は大事です。
誰が誰だかわからないまま死んでいってしまうと、いまいち没入しきれません。
今回は最初から悪役がいたわけではなく、ジャックが途中から悪役と化しましたが、その理由が不死の蘭による執念によるものである点も、極端ではありますが不自然ではありませんでした。
パラダイムシフトとなる発見をするには、あのような執念や冷酷さも必要となってくるのでしょう。
彼は決して極限状況で豹変したわけではなく、平然とゴードンを毒蜘蛛に嚙ませたり、全員を置き去りにしてそのまま見捨てようとした点などからは、もともと冷酷なパーソナリティを持っていたことが推察されます。
対する正義側で一番輝いていたのは、船長のビル。
次いで、その仲間のトラン。
この2人は、ビジュ強すぎませんかね。
ビルは声も低くてかっこよすぎました。
そんな前作より完成度の高いキャラとストーリーに対して、肝心のアナコンダの活躍がいまいち物足りなく感じてしまったのが、本作における残念なポイントでした。
前作から引き続き「人間も怖いよね」要素があるのは好きですが、むしろ人間ドラマの方に重きが置かれてしまっていたような印象もあります。
物足りなく感じてしまった点は、まず、これは仕方ないのですが、数が増えたところ。
「舞台をより広く!数をより多く!」というのは続編の定番ですが、そうなるとどうしても1匹1匹の怖さや価値が低減してしまいます。
伝わりづらい表現でしょうが、ゲームの『バイオハザード』と『バイオハザード2』みたいな感覚です。
ホラーというよりは、アクション寄りになっているような感じ(『バイオ2』はちゃんとホラーだと思いますが)。
簡単に撃退できるようになってしまっていた点も同様です。
船長ビルのフィジカルの強さもありますが、前作と違ってナイフ1本でもあっさり撃退できてしまっていたので、アナコンダに睨まれた際の絶望度が前作とはだいぶ違いました。
もう一つは、アナコンダの捕食がだいぶあっさりしていた点。
予算の都合なのか、そもそもアナコンダの登場シーンがだいぶ少なかったように感じます。
その上、ほとんどがあっさり飛びかかっての丸呑みばかりだったので、前作のようなインパクトある捕食シーンはなかったと言ってしまって良いでしょう。
個人的に前作で感じたアナコンダの怖さは、まず巻きついて締め上げて骨を折って身動き取れなくしてからゆっくりと吞み込んでいく、という生態でした。
身動きが取れず、激痛と恐怖を感じながら吞み込まれていく恐怖というのは、アナコンダでしか演出できないのでは、と思います。
その設定が今作では皆無でした。
麻痺したまま呑み込まれたシーンは近いものがありましたが、あれは毒蜘蛛の功績が大きい。
けっこう長く巻きつかれていたコールなんかも普通に無事でしたし、何であの設定を完全に削ってしまったのか。
もったいなく感じられてなりません。
最後には満を持して大量のアナコンダが出てきましたが、ほぼ活躍はなし。
落下したサムが無事だったのもだいぶ都合が良すぎる気がしますし、麻痺したジャックを捕食した程度であっさりと全滅させられてしまいました。
何だか『ジュラシック・パーク』の下位互換のような感じになってしまっており、もう少し記憶に残る捕食シーンが見たかったところ。
などと言うとまぁ悪趣味でしかありませんが、このような作品を観る人の多くは、フィクションならではのそのような要素を求めているのではないでしょうか。
そんな感じで肝心のアナコンダはちょっと物足りなかったのですが、ワニまで登場して、しかもデスロールまで披露してくれたのは、個人的には熱かったです。
これまたナイフ1本で撃退したビル、強すぎましたが。
そして本作で最優秀助演賞に輝いたのは、サルのコング。
よくぞ生き延びてくれました。
あれってCGに見えなかったんですけど、本物ですかね?
でもそうだとしたら、あの「幽霊でも見たような怯え方」の表情とか、天才子役の比ではない圧巻の演技力すぎますし、どうなんでしょう。
いずれにせよ、イライラする人間ドラマの中で癒しを与えてくれた存在でした。
前作と違って船を降りてジャングルの中を駆け回ったのは、閉塞感は失われてしまいましたが、ジャングルの怖さも感じられて良かったのではないかと思います。
俯瞰した映像とか、あまりにも広大すぎて絶望的でした。
ですがけっこうすぐ次の策が見つかったり、せいぜいヒル程度でジャングルならではの怖さはほとんど描かれなかったところも、少々もったいなく感じてしまいました。
まぁワニとヒルでも十分なのかな……とも思いつつも、アナコンダの登場が少ない分、人間ドラマに多くの時間が割かれていましたが、もう少しジャングルの怖さに時間を割いても良かったような気もします。
そもそもジャングルに突撃するにしては、装備不足感が否めませんでしたが。
とはいえ、続編として十分楽しめた作品でした。
問題はここからです。
自分のFilmarksを見返すとガクッと点数が下がっている『アナコンダ3』『アナコンダ4』。
何となく断片的な記憶もあった2と違い、ほとんど記憶がないので、まっさらな気持ちで挑んでいきたいと思います。

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