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【小説】阿泉来堂『バベルの古書 猟奇犯罪プロファイル Book2《怪物》』(ネタバレ感想・心理学的考察)

【ネタバレ感想・考察】先のグレゴール・キラー事件から2か月。その功績を認められ、刑事課強行犯係特別事案対策班(通称 「別班」)に配属された加地谷と浅羽が新たに捜査に当たるのは、帰宅途中に殺害された女性の遺体が、まるできれいに清められたかのように安置された「エンゼルケア殺人事件」。再び道警本部捜査支援分析室の天野伶佳らとともに捜査を進めるうちに浮かび上がってきたのは、十五年前に発生した少女殺人事件と、死亡した少女の遺族である一人の青年の存在。そして、数年おきに発生している女性の不審死事案だった──。
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【小説】阿泉来堂『バベルの古書 猟奇犯罪プロファイル Book1《変身》』(ネタバレ感想・心理学的考察)

【ネタバレ感想・考察】札幌市近郊の町、荏原市で発生した女子大生殺人事件。遺体の首と両手は切断されて持ち去られ、現場にはフランツ・カフカの『変身』の一節が残されていた。その猟奇的な手口は5年前に発生した「グレゴール・キラー事件」に酷似しており、ほどなくして更なる被害者も現れる。グレゴール・キラーに相棒を殺された過去を持つ刑事、加地谷と新米刑事の浅羽は、事件の捜査を進めるうち、被害者の霊を目撃したという青年に遭遇する──。
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【小説】阿泉来堂『邪宗館の惨劇』(ネタバレ感想・考察)

【ネタバレ感想・考察】1年前の火災事故で親友を失った天田耕平は、恋人と共に慰霊祭へと向かう途中にバスが事故を起こし、山道で立ち往生してしまう。雨風をしのぐため他の乗客らと共に近くの廃墟へと避難するが、そこはかつてある宗教団体の信者が集団死したといういわくつきの建物だった。その夜、乗客たちが次々に殺害される事件が発生。建物からの脱出を試みた耕平は、恐ろしい姿をした怪物に遭遇し意識を失う。目を覚ました時、耕平は事故を起こしたはずのバスに乗っていた。その後、まったく同じ流れで繰り返される殺人事件を体験し、耕平は自分がこの夜を「繰り返している」ことに気づく──。
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【小説】阿泉来堂『忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件』(ネタバレ感想・考察)

【ネタバレ感想・考察】ホラー作家、那々木悠志郎の担当編集となった久瀬古都美は、彼が初めて体験したという怪異譚を題材にした未発表原稿を読むことに。そこに書かれていたのは、心霊現象に懐疑的な小学6年生、篠宮悟が、流行りの噂話で語られる『崩れ顔の女』を呼び出してしまうという物語だった。その顔を見てしまった者は視力を奪われ、精神的に追い詰められた末に自殺してしまうという怪異。その真相を調べにやってきた那々木悠志郎の助けを借りて、悟は調査を進めていく。一方で、原稿を読み進める古都美のもとにも『崩れ顔の女』が現れる──。
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【小説】阿泉来堂『ぬばたまの黒女』(ネタバレ感想・心理学的考察)

【ネタバレ感想・考察】生まれ故郷の村が近隣の町に吸収合併されると知り、12年ぶりに道東地方の寒村、皆方村を訪れた井邑陽介。妊娠中で情緒不安定の妻から逃げるように里帰りした陽介は、かつての同窓生から、村の精神的シンボルだった神社一族が火事で焼失し、憧れだった少女が亡くなっていたことを告げられる。さらに焼け跡のそばに建立された新たな神社では全身の骨が折られた死体が発見されるという、壮絶な殺人事件が起こっていた。深夜、陽介と友人たちは、得体のしれない亡霊が村内を徘徊する光景を目撃し、そして事件は起こった──。
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【小説】梅原涼『お前たちの中に鬼がいる』(ネタバレ感想・考察)

【ネタバレ感想・考察】高校教師、須永彰は薄暗い地下室で目覚めた。記憶も曖昧で何もわからない。そこで彼は、奇妙なメッセージを見つける。『お前たちの中に鬼がいる……』。地下には、他に鍵のかかった5つの部屋があり、中には、鎖で繋がれた5人の女性がいた──。
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【小説】二宮敦人『!(ビックリマーク)』(ネタバレ感想)

【ネタバレ感想】拾った携帯電話のデータフォルダには、友人の死体映像が残されていた──「クラスメイト」。 ふとした拍子で部屋の壁に穴があいた。その穴は殺人鬼の部屋とつながっており──「穴」。 目を覚ますと、全裸で真っ白な部屋に閉じ込められていた女子高生。脱出する方法はあるのか──「全裸部屋」。
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【小説】山翠夏人『キャンプをしたいだけなのに』(ネタバレ感想・心理学的考察)

【ネタバレ感想・考察】社会に疲れてなるべく人と関わらず、平日は会社員、休日はソロキャンプを楽しむ斉藤ナツ。今日も山奥のキャンプ場で一人を満喫していると、暗がりで声をかけてきたのは、顔半分が無い女。幽霊っぽいけど興味無いし、癒し時間を邪魔されたくない。早くどっか行ってと願うが、始まった幽霊女の身の上話に付き合ううち、彼女は気づく。このキャンプ場、幽霊よりもヤバい奴がいる──。
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【小説】入間人間『たったひとつの、ねがい。』(ネタバレ感想・考察)

【ネタバレ感想・考察】彼女と知り合ったのは学生時代だった。互いに心を通わせてる、そのことすらも確認しなくてもわかる日々。そして今日。思い切って結婚を彼女に持ち出してみた。下手に出て、お伺いしてみる。恐る恐る顔を上げて反応を確かめると、非常に希少なものが拝めた。彼女がにたにたと、ともすれば意地悪く見えるほどにやついている。つまり、良いよ、ということ?やったぁ……と、思ったその瞬間。あんな、あんなことが起こるなんて。それから、僕のもう一つの人生は始まった──。
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【小説】小林由香『ジャッジメント』(ネタバレ感想・考察)

【ネタバレ感想・考察】大切な人を殺された者は言う。「犯罪者に復讐してやりたい」と。凶悪な事件が起きると人々は言う。「被害者と同じ目に遭わせてやりたい」と。20××年、凶悪な犯罪が増加する一方の日本で、新しい法律が生まれた。それが「復讐法」だ。目には目を歯には歯を。この法律は果たして被害者たちを救えるのだろうか──。
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【小説】矢部嵩『魔女の子供はやってこない』(ネタバレ感想・考察)

【ネタバレ感想・考察】ある日へんてこなステッキを拾った縁で、キュートな魔女と友達になった小学生の夏子。だが2人が良かれと思ってしたことが、次々血みどろ事件に発展していき──。
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【小説】矢部嵩『〔少女庭国〕』(ネタバレ感想・考察)

【ネタバレ感想・考察】卒業式に向かっていたはずの中3少女たち。目覚めると奇妙な貼り紙が。「ドアの開けられた部屋の数をn、死んだ卒業生の人数をmとする時、n-m=1とせよ」。
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【小説】滝川さり『ゆうずどの結末』(ネタバレ感想)

【ネタバレ感想】大学に入学して3か月、菊池斗真はサークルの同級生・宮原の投身自殺を目撃してしまう。死因に不審な点もなく遺書もあったことから、彼女の死は自殺と断定された。宮原の死から数日後、菊池は同じサークルに所属する先輩の日下部から、表紙にいくつかの赤黒い染みがある本を手渡される。それは、宮原が死の瞬間に持っていた小説らしい。「ゆうずど」というタイトルの小説は角川ホラー文庫から刊行されている普通のホラー小説で、特に宮原の死と結びつけるような内容は描かれていなかった。しかし、本を読んだ日下部はその翌週に自殺をしてしまう。そして日下部の死後、なぜか菊池の手元には「ゆうずど」の本が現れていた。何度捨てても戻ってくる本。そして勝手に進んでいく本に挟まれた黒い栞。自分にしか見えない紙の化け物。菊池は何とか自らに迫る死の呪いを回避するために、ある手段を講じるが──。
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【小説】滝川さり『お孵り』(ネタバレ感想)

【ネタバレ感想】結婚の挨拶のため、婚約者・乙瑠の故郷を訪れた佑二。そこは生まれ変わりの伝説がある村だった。やがて乙瑠は村で里帰り出産をすることになったが、子供は生まれ変わりを司る神として村に囚われてしまい──。
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【小説】蒼月海里『幽落町おばけ駄菓子屋』(ネタバレ感想)

【ネタバレ感想】大学入学と同時にひとり暮らしを始めることになった僕。有楽町の物件に入居するはずが、着いた先はなぜか「幽落町」。そこは妖怪たちが跋扈し、行き場を見失った幽霊がさまようトンデモナイ町だった──。
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