【小説】滝川さり『ゆうずどの結末』(ネタバレ感想)
【ネタバレ感想】
大学に入学して3か月、菊池斗真はサークルの同級生・宮原の投身自殺を目撃してしまう。
死因に不審な点もなく遺書もあったことから、彼女の死は自殺と断定された。
宮原の死から数日後、菊池は同じサークルに所属する先輩の日下部から、表紙にいくつかの赤黒い染みがある本を手渡される。
それは、宮原が死の瞬間に持っていた小説らしい。
「ゆうずど」というタイトルの小説は角川ホラー文庫から刊行されている普通のホラー小説で、特に宮原の死と結びつけるような内容は描かれていなかった。
しかし、本を読んだ日下部はその翌週に自殺をしてしまう。
そして日下部の死後、なぜか菊池の手元には「ゆうずど」の本が現れていた。
何度捨てても戻ってくる本。そして勝手に進んでいく本に挟まれた黒い栞。自分にしか見えない紙の化け物。
菊池は何とか自らに迫る死の呪いを回避するために、ある手段を講じるが──。