【映画】ファンハウス(ネタバレ感想)

映画『ファンハウス』
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作品の概要と感想(ネタバレあり)

ハロウィンシーズン真っ只中のある日、ステーツビル精神病院に収容されていた6人のサイコパスが脱走した。
多くの若者で賑わう遊園地のお化け屋敷に潜伏した6人は、何も知らずに遊びに来た客たちを次々と血祭りにあげ、自らの欲望を満たしていく──。

2015年製作、アメリカの作品。
原題は『The Funhouse Massacre』。
「funhouse」は「お化け屋敷」「びっくりハウス」、「massacre」は「虐殺」の意です。

前回書いた『アトラクション』と同じく、ハロウィンのテーマパークもの。
『アトラクション』と同じ死に方をした場面があったのは、「そこ被る?」と思って笑ってしまいました。
『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』もそうでしたが、こういう系はやはり絶対にハロウィンですね。

さて、本作は、精神病院に極秘裏に?収容されていた異常殺人者たちが脱走し、準備していたファンハウスで殺戮を繰り返すというもの。
「最高警戒レベル」と言っていた精神病院のセキュリティは目を覆わんばかりの脆弱さで、そもそもスタッフも4人ぐらいしかいませんでした。

個性豊かな殺人犯たちは、まるで漫画のキャラクターのよう。
序盤のキャラ紹介が、一番わくわくしました。
にこにこしながら観ていましたが、その後の展開は、だんだんと無表情に。

いえ、悪くはないのですが、ギャグなのか真面目なのかわからない部分も多く、どのスタンスで観ればいいのかを見失ってしまいました。
思ったよりコメディ色やチープさが強めだったのが、やや多めのゴア表現を軽く見せ、絶妙なバランスではあったと思います。
破裂した水道管か?というぐらい溢れ出す血に、骨などないかのように破壊される人体。
ホラーコメディと知らずに観た自分が悪いですが、個人的にはコメディ色はもっと弱めでも良かった。

とはいえ、こういう滅茶苦茶なの、好きな部類には入ります。
好きな人はかなり好きなのでは。

危険が迫っているのに気がつかず動画を撮ったりインスタのネタにしようと考えている若者たちの姿は、風刺的でもありました。
さり気なくディズニーランドをディスっていたのは攻めの姿勢。


『エルム街の悪夢』のフレディ役でお馴染みのロバート・イングランドが精神病院の院長役。
さも彼がリーダーみたいな売り出し方をされていますが、詐欺でした

真のリーダーは、かつて集団自殺を行ったカルト集団の元教祖?なのかよくわかりませんが、自称「預言者」、通称「知性のマニー」ことマニュエル・ダイアー
堂々たる振る舞いはかっこよかったのですが、余裕を見せつけまくっている態度だったのに反撃に遭って脚を撃たれて大絶叫していたところは、ちょっと情けなかったです。
彼が殺害した女性の娘がケート保安官、というのもベタで好き。
放火で集団自殺の証拠を隠滅し、「その炎は1人の生存者も許さなかった」とか説明されていたのに、しっかりケート保安官が生存者だったところも好き。

その娘、「ステッチ・フェイス・キラー」ことクインは、まさに殺人狂。
記者に扮して精神病院のスタッフを殺害したあと、メイクをして真の姿(?)を見せたときには、「えっ、年齢的に厳しくない……!?」と戸惑いを隠せませんでしたが、だんだんと馴染んでくることろは、長年このスタイルで人を殺し目と口を縫い続けてきた貫禄を感じさせてくれます。
便器に顔を突っ込まれても負けない。

個人的に好きだったのが、「アニマル・ザ・カニバル」ことジェフリー・ラムジーズ
人肉シェフというのは、ロマンがありますね。
料理するときのめっちゃにこにこ顔がチャームポイント。
殺人犯全員のそれぞれの過去のエピソードが見たいのですが、特に見たいのは彼。
被害者を拘束するのにサランラップ(?)を使っていたところも、シェフ魂を感じました。

見た目のインパクトが強い、「剥製師」のウォルター・ハリス
彼こそ、ザ・シリアルキラーといったこだわりを感じさせてくれました。
ジェフリーと共に、再現された犯行現場に文句を言っていたところも職人気質。
道具にもしっかりこだわっていたようです。
戦闘力はゼロ。

設定は好きなのにやや地味だったのが、「イケメン先生」な歯科医師、ブラッドフォード・ヤング
歯医者になっておかしくなったのか、ああいうことがしたくて歯医者になったのか。
歯の痛みを取るには全部抜くか死ねばいい!という最強の治療方針。
歯とか関係なく、ドリルで喉奥を貫通させていたのは笑いました。

そして、最強無敵の大男、ピエロのロッコ
素手で顔の皮を剥いだり首を引っこ抜き、撃たれても死なないチート殺人鬼
正直、彼の力だけで精神病院から脱走できた気がします。

彼らと比べると、ドイル副保安官はキャラが立っていましたが、保安官や生存者側のインパクトが弱めでした。
ので、どうしても追われる恐怖というよりは、殺人者側の狂宴をもっと見たい!という方向にシフトしてしまいます。

メインの生存者側があまり若くないというのも珍しいと思いました。
いや、若かったのか?
いまいち年齢不詳なメンバーたちでした。


わっちゃわっちゃを楽しむ映画なので、リアリティを求めるものではなく、話もシンプルなので考察ポイントはほぼありません。

近所で殺されていた女性は、ステッチ・フェイス・キラーことクインの被害者ですが、クインだけは捕まっていなかったので、継続的に殺人を行っていたのでしょう。
特にこの被害女性は、ステッチ・フェイス・キラーについて調べており、精神病院との関連も疑っていたようだったので、口封じも兼ねて殺されたのだと思います。

何でファンハウスを作って殺戮パーティを行ったのかはいまいちわかりませんが、「預言者」知性のマニーが放送していた内容から推察するに、彼らは自己顕示欲が強く、自分たちの殺人を世界に見せつけたい、怖がらせたい、そして異常犯罪者として永遠に名を残したいという欲求があったようでした。
そのための大量殺戮パーティだったのでしょう。

ラストシーンは、ステッチ・フェイス・キラーのクインがケート保安官の服を着て剥いだ顔の皮を被っていたわけですが、かなりとち狂っていて素晴らしかったです。
顔の剥ぎ方、めっちゃ上手。
ろくに確認もせず救急車に運んじゃう警察の杜撰さは、今さら突っ込むものでもなく、保安官や警察は常に安定のお間抜け具合でした。

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